2014年9月16日火曜日

選ぶこと、堪能すること

先日、現在渋谷ヒカリエ東急シアターオーブで上演中の
マシュー・ボーン演出SWANLAKEを観に行ってまいりました








































実は私、このバレエが世界中に衝撃を与え、話題となった
2000年前後・・・日本での来日公演が上演された
2003,2005,2010年共、残念ながら実際の舞台は観ていません
アダムクーパーが主演を務めた舞台の映像を見たことがあるのみ

アダムクーパーはすでに当時、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルでしたが
マシューボーンによるまったく新しい演出の「白鳥の湖」スワンを踊ることにより
世界的なスターダンサーとして熱い注目を集めるようになります

私の大好きな映画「リトルダンサー」のラストシーンで
アダムクーパーの力強くしなやかな背中が映し出され
眩しいスポットライトの中、舞台に羽ばたいて行くあの瞬間は
ほんの一瞬の短いシーンながら、忘れることの出来ない名シーンとなりました
(ご覧になっていらっしゃらない方は是非!DVD等でご覧下さいね!)

さて、そんな10年以上前に話題をさらったマシュー・ボーンのスワンレイク
今回こそは見逃してはならない!と友人とチケットを購入したわけですが
主役のスワンを含め、今回のキャストはナント当日発表という変則的なもの

例えば、私達が観た回のキャスティングは・・・

The Swan / The Stranger     Jonathan Ollivier
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー ジョナサン・オリヴィエ
The Prince    Simon Williams...
王子               サイモン・ウィリアムズ
The Queen Chantelle Gotobed
女王               シャンテル・ゴトベッド
The Girlfriend Carrie Johnson
ガールフレンド          キャリー・ジョンソン



というものでしたが、今回初めて生のステージを見て、改めて思ったのは
マシュー・ボーンという人の発想力と感性、そしてずば抜けた才能!

演出、照明、舞台装置、衣装、振り付けと、どれをとっても
これ以上の完成度は望めない!

踊るという行為のみで鍛え上げられた彫刻のような美しいダンサーたちの身体
ステップを踏む度に高揚する無駄のないしなやかな筋肉の動き
動く度に揺れる真っ白で清らかなフェザーの衣装
その裏にあるダークな部分・・・邪心や嫉妬を表す独特なメイク
ダンサー達の身体で表現される珠玉の振り付け
それをあの古典「白鳥の湖」から生み出すとは!

私達は昼の部でしたが、偶然にも同じ日の夜の部をご覧になった
イラストレーターとしてご活躍中の友人kitajikoさんも
その感動を装苑の中のブログでご紹介していらっしゃいますので
是非、そちらもご覧頂きたいと思いますが・・・

今回、こういった当日に変則的キャスティング発表という形に対して
一言、イヤ!二言も三言も言わせて頂きたいことがあります

今回の公演の目玉はなといっても、アメリカンバレエシアターのスタープリンシパル
マルセロ・ゴメスが日本公演のみ、スワンを演ずるということ

マルセロ・ゴメスを入れると今回のスワンは3名交代で演ずるというトリプルキャスト
当然、誰でも彼が踊る日を観たい!と思う

だからその彼の踊る日にチケット購入が殺到しないよう
当日にキャストを発表するという反則ともいえる技を使ったわけですが
こういうやりかたって、全くもって間違っているとしか思えないのです

勿論、ご覧になる方の中には、宝くじみたいで楽しい
どんなキャストになるかワクワクする♪と考える前向きにとらえる
優しいお客様もいらっしゃることでしょう

だけど!本来はこんな製作者側の都合だけで決めてはいけないのですよ
その日が来るのを心待ちにし、わざわざ時間とお金をかけて
楽しみに足を運んで下さるお客様側に選択権がないなんてありえない!!

なにもそれはエンターテイメントに限ったことではなく
五感を刺激してくれるようなこと、例えば食べることにも、見ること、聞くこと
身に着ける物にも、すべてに対して言えることだと思うのです

対価を支払い、それに対していかに満足し、堪能するのか?
いかに幸せか?それこそが次に繋がる大切なこと!

美味しいな、また食べたいな。誰かを連れてきてあげたい、とか
なんて素晴らしい映画だったんだろう、舞台だったんだろう❤
また次回の公演も絶対に観よう!とか
ちょっと高かったけど、がんばって手に入れたバッグや洋服は
見ているだけでも幸せだけど、それを身に着けた時の高揚感が最高!
またがんばってお金を貯めて買いたいな♪とか
そういう気持ちこそが、次につながる大切なことなのに・・・

他の日も客席を埋めたい、チケットを売りたいということでの
いうこういうやり方は完全に間違っている
目先のことしか考えていない愚かな選択だと私は思うのです

少なくとも、舞台に立つダンサー達は真剣ですよ
プロであるならプロである程、手抜きなんてしない
だからこそ、選択の自由はお客側になくちゃいけないのに

ちょっと熱くなって書いてしまいましたが・・・(#^.^#)
これが私の正直な気持ち

作る側には是非!そういう気持ちを忘れないでいて欲しいと思います

マシューボーンのSWANLAKEは今月21日(日)まで
渋谷ヒカリエ11Fの東急シアターオーブで絶賛公演中です













































 
 

 












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